【初心者向け】はじめてのOffice スクリプト:開発環境の準備と基本操作2

officeスクリプト Officeスクリプト

こんにちは!前回の記事では、Office スクリプトの概要とVBAとの違いについてご紹介しました。

「Office スクリプトって、Web版のExcelでどうやって書くの?」「VBAみたいに開発環境の準備って必要?」

そんな疑問をお持ちの方もいるかもしれませんね。ご安心ください!Office スクリプトは、特別な環境構築は不要。Web版のExcelがあれば、すぐにコードを書き始めることができます。

この記事では、Office スクリプトを書き始めるための開発環境(といっても、Excel Web版の機能を使うだけですが!)の準備から、簡単なスクリプトの作成と実行、そして保存方法までをステップバイステップで解説します。

VBAの経験があるあなたなら、その手軽さに驚くかもしれませんよ!

この記事で学べること

  • Office スクリプトエディターの開き方
  • はじめてのOffice スクリプト作成(「Hello, World!」の出力)
  • スクリプトの実行方法
  • 作成したスクリプトの保存と管理

Office スクリプトエディターを開いてみよう

Office スクリプトを記述・実行するには、Web版のExcelを利用します。デスクトップ版のExcelではOffice スクリプトは利用できませんのでご注意ください。

  1. Web版Excelを開く: まず、Microsoft 365アカウントでExcel for the webにアクセスし、新しいブックまたは既存のブックを開きます。
  2. 「自動化」タブをクリック: Excelのメニューバーにある「自動化」タブをクリックします。
  3. 「新しいスクリプト」をクリック: 「自動化」タブ内に表示される「新しいスクリプト」ボタン・「コードエティターで作成」をクリックします。
  4. スクリプトエディターの表示: 画面の右側に「コードエディター」ペインが開きます。ここがOffice スクリプトを記述する場所です。

はじめてのOffice スクリプト:セルに「Hello, World!」と書いてみよう

VBAで「MsgBox “Hello, World!”」と書いたように、Office スクリプトでも簡単なコードから始めてみましょう。今回は、ExcelのシートのA1セルに「Hello, World!」と書き込むスクリプトを作成します。

コードエディターに表示されている既存のコードを、以下のコードに書き換えてください。

function main(workbook: ExcelScript.Workbook) {
  // アクティブなシートを取得します
  let selectedSheet = workbook.getActiveWorksheet();

  // A1セルに「Hello, World!」と書き込みます
  selectedSheet.getRange("A1").setValue("Hello, World!");
}

コードの解説

  • function main(workbook: ExcelScript.Workbook):
    • Office スクリプトは main 関数から実行されます。
    • workbook: ExcelScript.Workbook は、現在のExcelブックを表すオブジェクトが自動的に渡されることを意味します。VBAでいうところの ThisWorkbook のようなものです。
  • let selectedSheet = workbook.getActiveWorksheet();:
    • workbook オブジェクトから、現在アクティブになっているシートを取得し、selectedSheet という変数に格納しています。VBAでいう ActiveSheet に相当します。
    • let は変数を宣言するためのキーワードです。
  • selectedSheet.getRange("A1").setValue("Hello, World!");:
    • selectedSheet オブジェクトの getRange("A1") メソッドを使って、A1セル(レンジ)を取得します。
    • 取得したレンジに対して setValue("Hello, World!") メソッドを実行し、セルに値を設定します。VBAの Range("A1").Value = "Hello, World!" と同じ感覚ですね。

スクリプトを実行してみよう

コードを書き換えたら、いよいよ実行です。

  1. 「実行」ボタンをクリック: コードエディターの上部にある「実行」ボタンをクリックします。
  2. 実行結果の確認: スクリプトが正常に実行されると、ExcelシートのA1セルに「Hello, World!」と表示されます。
  3. これで最初のOffice スクリプトの作成と実行ができました!とても簡単だったのではないでしょうか?
Officeスクリプト

スクリプトの保存と管理

  1. 作成したスクリプトは自動的に保存されますが、名前を変更して管理することができます。
  2. スクリプト名の変更: コードエディターの上部にあるスクリプト名(デフォルトでは「スクリプト1」など)をクリックします。
  3. 新しい名前を入力: 好きなスクリプト名を入力し、Enterキーを押します。例えば、「Hello Worldスクリプト」といった分かりやすい名前にすると良いでしょう。

次の記事はこちら

【初心者向け】Office スクリプト基礎:よく使うオブジェクトとメソッドを徹底解説3
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まとめ

この記事では、Office スクリプトを始めるための開発環境の開き方から、簡単なスクリプトの作成、実行、そして保存方法までを解説しました。

  • Office スクリプトはWeb版Excelの「自動化」タブから「新しいスクリプト」で開始できる。
  • コードエディターでJavaScript/TypeScriptを使ってコードを記述する。
  • 「実行」ボタンで簡単にスクリプトを実行できる。
  • スクリプトは自動保存され、名前を変更して管理することが可能。

VBAとは少し違いますが、その手軽さと直感的な操作感は、きっとあなたの自動化ライフを豊かにしてくれるはずです。

次回の記事では、Office スクリプトで頻繁に登場する「オブジェクト」や「メソッド」について、具体的なコード例を交えながらさらに詳しく掘り下げていきます。VBAでいうところの WorkbookWorksheetRange といった概念が、Office スクリプトではどのように扱われるのかを学びましょう。

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